バリアフリー観光推進セミナーin高山 開催しました

平成31年3月19日に、高山市の高山市民文化会館において、バリアフリー観光推進セミナーin高山を開催しました。 
第一部は、23年前から、障がいのある方、高齢の方などの旅行手配やツアーを手がけている、株式会社チックトラベルセンター ハートTOハートの鈴木さんを講師にお迎えして、「障がいのある方、高齢の方も安心できる旅づくり」人にやさしいユニバーサルツーリズムをテーマに、これまでに催行したツアーの事例紹介を中心にお話いただきました。
 
23年前の、第1回北海道のツアーを皮切りに、中国、台湾、カンボジア、エジプト、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、スイスなど、国内外のいろいろな場所のツアーを、お客様の要望を反映しながら作ってこられたそうです。
 
最初の頃は、障がいのある方の旅行というと、何かあったらどうするの?責任とれません、医者や看護師は同行するのでしょうね?などのネガティブな意見もあったそうですが、ユニバーサルツーリズムも徐々に浸透してきて、最近は、車イスの団体でも旅行先で珍しがられることも少なくなってきて、宿泊施設や観光施設でも、高齢の方、障がいのある方も大切なお客様だという認識も高まってきたそうです。
また、観光バス、鉄道などの乗り物、多目的トイレの増加、バリアフリー・ユニバーサルルームなどのハードも進化し、旅慣れたお客さんも増えてきて、医療機器を使用して旅行される方もいるそうです。
 
旅先では、非日常的な体験を通じて前向きな気持ちになり、これまで無理だと思っていたことが出来てしまったりと、少し元気になった事をお客さん自身が感じて帰られることも多いそうです。
ハートTOハートのツアーを取り上げたTV番組のビデオを紹介いただいたのですが、介護旅行で療養中のお年寄りの姿だけでなく、それを支える周りの方と一緒に旅の楽しい時間を共有している場面が、とても印象的でした。
 
「これからのユニバーサルツーリズムは、受け入れる側の「おもてなし」の心が大切」
 
第二部では、バリアフリーおもてなし講習として「高齢の方・障害のある方への接遇(観光地域編)」を行ないました。 
 
2020年オリンピック・パラリンピックを見据えたユニバーサルツーリズムへの対応のために観光庁が作成した「高齢の方・障害のある方などをお迎えするための接遇マニュアル」を使用して接遇のポイントを、座学とグループワークで学習していただきました。
 
グループワークでは、ふらっと旅ぎふの取材・調査を行う車いすユーザーの調査スタッフが、体験談を話し活発な意見交換が行われました。
 
ご参加、ご協力いただいた皆さま、有難うございました。
 
様々なお客様が安心して訪れていただける岐阜県となっていくよう、今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

ユニバーサルマナー検定in岐阜 開催しました

バリアフリー観光推進事業では、観光施設のバリアフリー状況を調査・取材し「ふらっと旅ぎふ」で紹介する他、受け入れ体制の向上のため、先進的な取り組みを紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修等も行なっています。
 
平成31年2月14日に、可児市文化創造センター alaにおいて、「ユニバーサルマナー検定in岐阜」を開催しました。
 
平成28年度から開催している、このユニバーサルマナー検定3級講座は、日常生活を営むのに困難が生じる高齢者や障がい者など、多種多様な人への対応のスキルの知識の習得・向上につなげるための検定で、岐阜県中津川市出身の障がい当事者で車いすユーザーでもある、垣内俊哉さんが代表取締役を務める株式会社ミライロが考案したもので、障害者差別解消法の施行や2020東京オリンピック・パラリンピックを見据え、全国各地で講座が開かれ企業や公共団体などにも広がっているそうです。
 
東美濃地域をはじめとした県内の観光関連事業者など、およそ30名が受講され、高齢者や障がい者への向き合い方 、どんな人がどんなことに困るのか、困った時のお声がけ方法などについて、自らも全盲の視覚障がいのあるミライロの講師原口淳さんの話を真剣に聴かれ、グループでテーマについて意見交換したりしながら、多様な方への接遇の基本について学ばれました。
 
2020年1月から放送予定のNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公「明智光秀」にゆかりのある可児市をはじめ、岐阜県の各地でもドラマの放送に向けて様々なイベントや商品開発なども行われ、全国各地からの観光客の増加も見込まれ、多様なお客様に安心して楽しんでいただけるよう接遇などソフト面の向上も期待されており、今回の講座もその準備の一助となれば嬉しく思います。
 
ご参加、ご協力いただいた皆さま、有難うございました。
 
様々なお客様が安心して訪れていただける岐阜県となっていくよう、今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

バリアフリー観光推進セミナーin岐阜 開催しました

平成31年1月22日に、岐阜市の岐阜メモリアルセンターにおいて、バリアフリー観光推進セミナーin岐阜を開催しました。

第一部は、講師に「バリアフリー温泉で家族旅行」の著者山崎まゆみさんをお迎えし、「みんなで楽しむハートフルな旅」をテーマにお話いただきました。
山崎さんは、温泉エッセイストとしての20年以上の活動で、これまで世界32カ国1000ヶ所以上の温泉を巡り、著書、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどで広くその魅力を伝えています。
「ユニバーサルデザイン2020関係府省連絡会議 街づくり分科会」に参画され、東京五輪・パラリンピックに向け、日本の“バリアフリー温泉”の推進にも力を注いでいます。
今回の講演では、これまで取材した宿泊施設のバリアフリー対応の事例を中心に、色々な用具や工夫、接遇から設備まで、様々なバリアフリー事例を写真付きで分かりやすく紹介していただきました。
 「バリアフリー」と言うと段差解消やエレベーターなどの大掛かりな設備のイメージが強いのですが、身近なところから取り組める工夫や、用具の活用など具体的な事例がわかりやすく、参加された方からも参考になったという声が聞かれました。
特に温泉旅館などのバリアフリーは、訪れるお客様へのおもてなしとして、魅力的な外観やインテリアなどのデザイン、形状やバリア情報の発信、補助器具の活用、声がけの大切さを意識していただきたいというお話が印象的でした。
山崎さんは、今後もバリアフリー旅行をすすめるための取材や情報発信を続けていくとのことで、4月には新たなバリアフリー旅行のための書籍を刊行予定だそうです。
第二部では、バリアフリーおもてなし講習として「高齢の方・障害のある方への接遇(宿泊施設編)」を行ないました。

2020年オリンピック・パラリンピックを見据えたユニバーサルツーリズムへの対応のために観光庁が作成した「高齢の方・障害のある方などをお迎えするための接遇マニュアル」を使用し主に宿泊施設での接遇のポイントを、座学とグループワークで学習していただきました。

グループワークでは、ふらっと旅ぎふの取材・調査を行う車いすユーザーの調査スタッフが、体験談を話し活発な意見交換が行われました。

ご参加、ご協力いただいた皆さま、有難うございました。
様々なお客様が安心して訪れていただける岐阜県となっていくよう、今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

ユニバーサルデザインタクシー研修会開催しました

車いす使用者、お年寄り、小さなお子さま連れ、外国からの観光客など、様々な人に優しく設計された「ユニバーサルデザインタクシー」が普及しはじめていますが、誰でも安心して岐阜の旅を楽しんでもらえるよう理解を深めるための研修を開催しました。

岐阜駅前の「信長ゆめ広場」では、岐阜県タクシー協会のご協力のもと、県内の4つのタクシー会社で運行されているユニバーサルデザインタクシーのトヨタ JPN TAXIを展示してもらい、実際の車を見学しながら、特徴や車いすのまま搭乗する手順などを学びました。
運行体験では、車いすユーザーがユニバーサルデザインタクシーに乗せてもらい、織田信長も居城した岐阜城のある金華山の麓にあり、長良川鵜飼の行われる川原町までのドライブを楽しみました。

川原町では、岐阜長良川温泉の宿泊施設で働く皆さんにも、ユニバーサルデザインタクシーを見学していただきました。
ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
当日の詳しい様子は、あらためてブログでも紹介する予定です

おもてなし講習「車いすについて学ぶ」開催しました

3月29日(木曜日)、長良川温泉 十八楼にて、バリアフリー観光推進セミナー おもてなし講習「車いすについて学ぶ」を開催しました。

3月なのに汗ばむような夏日となりました

 

鵜飼観覧船乗り場への坂道を体験

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材し「ふらっと旅ぎふ」で紹介する他、受け入れ体制の向上のため、先進的な取り組みを紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修等も行なっています。

歩きやすく整備された川原町の古い町並みを車いすで散策

今回は、昨年12月に引き続き、バリアフリー観光に力を入れている「岐阜長良川温泉旅館協同組合」の宿泊施設で働く皆さんをはじめ16名の方に参加いただき、車いす利用者への接遇サポート方法を実習しながら学んでいただきました。

車いすを操作して、幅や長さを体験しました。じゅうたんはタイヤが沈んで少し重く感じます。
声がけや安全に注意しながら、サポートを実習しました

ふらっと旅ぎふの取材で県内の観光施設のバリアフリー状況の調査を担当する、車いすユーザーのスタッフが講師を務め、座学のあと実際に車いすを自分で操作して、会場内に作ったコースや、館内にあるトイレ、エレベーター、スロープなどの施設を体験したり、車いすをサポートするだけでなく、車いすに乗りサポートされる側の立場も体験しながら、長良川河畔の川原町なども散策してみました。

長良川沿いの桜が満開でした
「思ったよりも腕に力が要るんですねー」との感想も出ました

参加された皆さんからは、普段は気にならない小さな段差でも車いすではバリアになる事が実際に体験してよく分かった、車いすでの不安感や目線を体験し「相手の気持になって接客する事が大切」ということが分かったというような感想が聞かれ、すぐにでも実践に生かしたいというお話も聞かれ有意義な機会となりました。

この気づきを、日頃のおもてなしに生かしていただき、ソフト面のバリアフリーが充実していくことを願っています。

沢山のご参加有難うございました。

バリアフリー観光推進セミナー in 高山 開催しました

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材をさせていただきWEBサイト「ふらっと旅ぎふ」等で紹介する他にも、受け入れ体制の向上のため、バリアフリーの先進的な取り組み事例を紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修なども行なっています。

2月1日、高山市にある飛騨・世界生活文化センターにて「バリアフリー観光推進セミナー in 高山」を開催しました。

高山市観光課よりバリアフリー観光の取り組みを紹介
岐阜県観光企画課よりバリアフリー観光推進事業を紹介

講演 先進事例の紹介

午前中の講演では、山崎まゆみさん(温泉エッセイスト VISIT JAPAN大使)に「世代をこえて楽しむ温泉旅行のすすめ」~バリアフリーで温泉に新たな活路をテーマにお話いただきました。

20年以上にわたり国内外の温泉を取材されている山崎まゆみさん

山崎さんは、これまで世界31カ国1000ヶ所以上の温泉を巡り、新聞、雑誌、著書、テレビ、ラジオなどで広くその魅力を伝えています。
また「ユニバーサルデザイン2020関係府省連絡会議 街づくり分科会(内閣官房)」にも参画し、東京オリンピック・パラリンピックに向け、バリアフリー温泉の推進に力を注いでいます。

2015年には、これまでの活動で培ってきた温泉の深い知識や経験と、体が不自由な方やお年寄りにも気軽に温泉に入ってほしいという熱い思いから「施設」だけでなく「心」の面でも優れたバリアフリーの温泉宿を選び、実際に現地へ行き取材をして「バリアフリー温泉で家族旅行」を執筆されました。
詳しいデータと図や写真でバリアフリー状況を詳細に掲載し、長年温泉を取材してきた視点で、山崎さん自身が行きたいという温泉宿の魅力を紹介するという、これまでにはなかったガイドブックとなっていて、多くの反響により2017年10月に第二弾「続・バリアフリー温泉で家族旅行」も発売されました。

今回の講演では「明日から始められるバリアフリー温泉その心得」と題し、これまで取材で訪れた全国のバリアフリー温泉の事例を中心に紹介していただきました。
実際に取材した様々なバリアフリー事例を写真付きで分かりやすく紹介し、大掛かりな施設の改修ではなく、身近なところから取り組める工夫や、用具の活用など具体的な事例をお話いただきました。
そして、バリアフリーという言葉を難しく考えず、お客さまの希望を「できない」と思うのでなく「できることを探す」という姿勢で取り組めば良いとお話されました。

また、アメリカのバリアフリー温泉の話もあり、コロラドの温泉施設では、入浴用の設備などハード的なバリアフリーも整備されているが、その入浴設備は殆ど使うことはなく、お客さんの状況に応じてスタッフが都度人的な対応をしているという話も大変興味深いものでした。

セミナーに参加された方からは「バリアフリーはハードだけでなくハートが大切で、今後はバリアフリー情報の開示や便利な道具の利用など積極的に取り組んでみたい」や「バリアフリーに対して気負わず、身近なところから気を楽にして取り組みたい」などの感想をいただきました。

「温泉とは、世代を超えてみんなで一緒に楽しめる場所」という言葉が印象に残りました。

山崎さんは、講演の2日前から飛騨に入られ、奥飛騨温泉郷と飛騨高山温泉のバリアフリー温泉の取材をし、奥飛騨の雪見露天風呂も堪能されたそうです。

受付にあった山崎さんの著書、脳科学者の茂木さんとの「お風呂と脳のいい話」も面白そうですね。

研修 バリアフリーおもてなし講習

車いすを操作してコースを走行しました。じゅうたんの上は抵抗があって腕の力が要ります。

午後からは、バリアフリーおもてなし講習として、車いすユーザーのバリアフリー調査スタッフが講師を務め「車いす利用者への接遇・サポート実習」を行いました。

障がい者・高齢者、車いすについて座学で学んだ後、会場内に作ったコースや施設内のスロープ、トイレ、エレベーターなどを実際に車いすを自分で操作、車いすを介助する・されると立場を変えて利用していただきました。

3cmの段差を車いすで乗り越えるのもコツがいりますね。

参加された方からは「初めて車いすに乗ってみて恐怖感も体験できたので、今後は相手の気持ちに寄り添って接客したい」という感想もいただきました。

前週の寒波で高山市内にも雪が残り、丘の上にある会場へ来るまでの道路には結構な雪が積もり車のタイヤも滑るような状況でしたが、そんな中でも会場へ足を運び講師の話に熱心に耳を傾けていただきました。

山崎さんもお話されていましたが、どうしても「バリアフリー」という言葉が独り歩きして「エレベーターやスロープを設置しなければならない」という印象を与えてしまいがちですが、あまり重くとらえず、声がけやちょっとした工夫など身近なところからスタートしていただければ嬉しく思います。

一歩づつですが、多様なお客様が安心して岐阜県を訪れていただけることに繋がればと思います。

今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

ユニバーサルマナー検定 in 岐阜 開催しました

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材し「ふらっと旅ぎふ」で紹介する他、受け入れ体制の向上のため、先進的な取り組みを紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修等も行なっています。

12月19日(火曜日)、長良川温泉 十八楼にて「ユニバーサルマナー検定in岐阜」を開催しました。

昨年度に引き続き開催した、このユニバーサルマナー検定は、日常生活を営むのに困難が生じる高齢者や障がい者など、多種多様な人への対応のスキルの知識の習得・向上につなげるための検定で、岐阜県中津川市出身の障がい当事者で車いすユーザーでもある、垣内俊哉さんが代表取締役を務める株式会社ミライロが考案したもので、全国各地で講座が開かれ企業や公共団体などにも広がっているそうです。

講座の様子 講師はミライロの原口さん

今回のユニバーサルマナー検定in岐阜では、岐阜長良川温泉旅館協同組合の7つの宿泊施設の従業員の皆さんをはじめ観光関係者60名の方が受講され、高齢者や障がい者への向き合い方 、どんな人がどんなことに困るのか、困った時のお声がけ方法などについて、自らも全盲の視覚障がいがある株式会社ミライロの原口淳さんの話を聞きながら熱心に学んでいました。

岐阜県観光企画課より岐阜県のバリアフリー観光推進の取り組みについて説明

岐阜県 商工労働部 観光国際局 観光企画課の堀課長の挨拶の後、観光企画課の今村担当より、観光産業の動向やバリアフリー観光の可能性、岐阜県のバリアフリー観光推進の取り組みについて発表を行いました。

ユニバーサルマナー検定3級講座では、原口講師ご自身が障がい当事者として、地域で生活される中での経験などもまじえて分かりやすく話をされました。
120分の講義では、講師の説明のほかグループワークや演習問題にも取り組み、普段は気づかない困りごとや、何気なく目にするマーク、身近にあるバリアについて考察する機会となりました。

ユニバーサルマナー検定3級講座ではグループワークも行い、身近なバリアについても話し合いました

参加された全員がユニバーサルマナー検定3級を取得されました。
今回学んだことが日常の業務に活かされ、岐阜県に訪れる様々な方に快適に安心して過ごしてもらえるように繋がっていけばと思います。

多数のご参加、有難うございました。

岐阜新聞 2017年12月20日掲載 仲居ら「マナー検定」取得 長良川温泉魅力アップ

今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。

バリアフリー観光推進セミナー in 下呂 開催しました

GIFU・バリアフリー観光推進プロジェクトでは、観光施設のバリアフリー状況の調査・取材をさせていただきWEBサイト「ふらっと旅ぎふ」等で紹介する他にも、受け入れ体制の向上のため、バリアフリーの先進的な取り組み事例を紹介したり、障がいのある方や高齢者の課題などを学び接遇技術の向上やサポート体制を強化するための研修なども行なっています。

11月20日(月曜日)、下呂市交流会館アクティブにて「バリアフリー観光推進セミナーin下呂」を開催しました。

岐阜県観光企画課より岐阜県のバリアフリー観光の取り組みを紹介

講演 先進事例の紹介

午前中の講演では、先進的にバリアフリーツーリズムに取り組んでいる事例を紹介するということで、松江しんじ湖温泉 旅館「なにわ一水」代表取締役 勝谷有史さんに、「バリアフリー化で売上アップ、お客様も従業員も笑顔に」というテーマでお話いただきました。

平成28年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰 内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞されたなにわ一水の勝谷社長

島根県松江市の宍道湖の畔に建つ1918年創業の老舗旅館「なにわ一水」では、「旅館のバリアフリー化は、商売としても従業員にとっても、十分な合理性があり、将来に向け重要な取り組みである」をモットーに、障がいのあるお客様を積極的に受け入れ、10年前から、4階、3階と段階的にバリアフリー対応をすすめ、昨年、2階に全国屈指の広さの露天風呂付きバリアフリールームもオープンされたそうです。

その他にも、パブリックスペースに「多目的トイレ」を2箇所設置、宿泊業界では前例のない、車いすが2台乗れるタイプの「送迎用マイクロバス」の導入のほか、聴覚障がいのあるお客様とのコミュニケーションを円滑にするための「筆談ボード」の導入や、視覚障がいのあるお客様が触れて設備などの位置が分かる「触知地図」の配付など、様々な面で積極的にバリアフリーに取り組まれています。

経営者でありながら車いすの介助もこなす、なにわ一水の勝谷社長。手に持っているのは、実際に導入されている「筆談ボード」。

セミナーに参加された方からは、建物や設備などの「ハード面」だけでなく、スタッフの接遇向上などの「ソフト面」の強化が重要で、バリアフリーへの取り組みは、お客様のためだけでなく、旅館で働くスタッフの皆さんの利便性や意欲向上にもつながっていくという話がとても参考になったという感想を多くいただきました。

勝谷社長ご自身も、障がいのある方が暮らしやすい社会をつくることを目的とした「あいサポート運動」にも積極的に参加し、メッセンジャーとして誰もが暮らしやすい地域社会のための橋渡し役として活動されているとのことです。

なにわ一水では、旅館の和の佇まいにこだわりつつ、多様なお客様に特別な時間を安心して楽しんでいただくために、勝谷社長はじめ社員の皆さんで、設備だけでなくおもてなしにも様々な工夫や努力を重ねておられる点が、お客様に好評をいただいているのではないかと感じました。

研修 バリアフリーおもてなし講習

実際に車いすを操作しながら、施設内を散策しました

午後からは、バリアフリーおもてなし講習として、ふらっと旅ぎふに掲載する県内の観光施設のバリアフリー状況を調査するスタッフによる車いす利用者への接遇・サポート実習を行いました。

車いすに乗って操作し目線の低さや狭い場所の通過、段差の体験もしました

障がい者・高齢者、車いすについて座学で学んだ後、会場内に作ったコースや施設内のスロープ、トイレ、エレベーターなどを実際に車いすを自分で操作、車いすを介助する・されると立場を変えて利用していただきました。

スロープを体験中

参加された方からは、普段は気にならない小さな段差や坂道も、実際に車いすを操作してみると大きく感じ、車いすに乗っている人の気持になって接したり介助することが大切であるという感想をいただきました。

午前の講演、午後の研修の両方に参加された方もおられ、バリアフリー観光について深く学んでいただくことが出来ました。
障がいのあるお客様を受け入れるには、設備などのハード面と、人的な支援などのソフト面の両方が充実することが望ましいですが、すべての課題を一度に解決することは難しいので、出来ることからはじめていただき、多様なお客様に安心して岐阜県の旅行を楽しんでいただけるようバリアフリー観光推進に取り組んでいただけると嬉しく思います。

今後も、セミナーや研修を開催していきますので、是非ご参加ください。